第39回大峰山花供入峯先駈修行



今回、御縁があり総本山醍醐寺の花供入峯に参加した



6月7日

修験装束を初めて着たときは、正直着慣れていない性もあり少々恥ずかしかった。
地下足袋は修験の方に定評があるエアージョグを履いた。洞川で青年会の方と合流した後は龍泉寺で柴燈護摩をした。柴燈護摩を見たのは初めてで私が知っている護摩とはまったく違うタイプで料理(しつらい)識衆(しきしゅう)承仕(じょうじ)導師作法のすべてが新鮮で大変勉強になった。

そして生まれて初めて聞く法螺貝の荘厳な雰囲気は心を奮い立たせるような感覚になった。

初日は久保冶旅館にて宿泊した。旅館で今回が初参加の方の紹介があり、意外と多いことが分かり少し気が楽にった。


6月8日

深夜2時頃竜泉寺にて沐浴した。水は身が切れるような冷たさでしたが清浄になったようで気持ち良かった。その後着替えて再び龍泉寺にて御法楽をあげ大峰山へ入った。
最初、麓まではアスファルトでしたが山に入ると足場が悪く急な山道が続いた。まだ夜が明けていなかったので懐中電灯の明かりだけを頼りに登って行った。院生(醍醐寺修行僧)の「惨儀懺悔 六根清浄」が聞こえ私もせっかくなので院生と一緒にとなえた。山を登りながら声を出すと言うのはとても大変できつかった。途中お助け水で休憩を取り、その頃には空もだいぶ白み始めだいぶ足下が分かるようになった。

登るときは昨年、院生として登った方と登った。登っていくうちにだんだん付いて行くのがしんどくなったが持ち前の負けん気で頑張った。だんだん標高が上がっていくと杉林からクヌギやブナの紅葉樹林に周りの風景が変わり新緑やコケ、シダ類の緑が眩しく疲れた体が少し軽くなった。

麓から出発3時間ぐらいで頂上の茶屋に着いた。昼食と小一時間ぐらい休憩を取った。休憩所には遭難者の手配所が張ってあり改めて山の怖さを知った。休憩所には意外と一般の方も多く、山に登るのは修験者の方だけで無い事が分かった。

休憩を取った後は尾根づたいに大峰寺を目指した。

尾根を歩くと今までの風景とはうって変わって霧でかすんだ山肌にそびえ立つ巨木や一面のクマザサとコケが広がる幻想的な風景が広がっていた。とても幻想的で神秘的な場所はさすが霊峰大峰山といった気がした。

途中、表行場に案内してくれた。切り立った岩肌を鎖をつたい登った。足を滑らすと大怪我をすることは間違いなく足がすくんだ。約50分歩くと小篠道場に着いた。小篠道場での紫燈護摩は今までの護摩とはちがって山間の木々に囲まれた中、限られたもので護摩を焚く本来の柴燈護摩の姿だと聞き貴重な体験がでた。
その後大峰寺に再び戻り柴燈護摩を焚き裏行場に案内していただいた。なぜか先達の茶屋のおじいさんが長靴にカッパとゆうスタイルが気になったが、おじいさんの身軽さには驚いた。ロッククライミングのような場所をいくつも巡り、なかでも怖かったのが大きな巨岩をグルッと廻るのは高所恐怖症の私としては半端では無かった。足を滑らせれば間違いなく死ぬような場所だったからだ。後から聞いた話、毎年怪我をされた方がいるとかで再び無事に帰れてほっとした。

昼過ぎ、下山をした。途中、行場をいくつか廻り。西の覗きをした。ここも怖さは尋常では無かったが正直、お不動さんをこの目でしっかり見たかった。これが本当の「怖い物見たさ」と言うのかもしれない。山道の下りは疲れた足腰にはきつかった。先達の方に言われたのがベテランの方の足の運び方の真似をしなさいと言われた。たしかに80歳近いベテランの方が大峰山を悠々と登れるのは、足に負担をかけないように楽な場所に足を運んでいるからであろう。しかしそうそう真似できるものではなく、やはり経験を積むことが大切だと思った。
山を下り久保冶まで戻った時には足が上がらなかった。その夜は打上げの席があり楽しんだ。醐青連・久保冶旅館の方々、楽しい席を用意してくださいありがとうございました。

6月9日

深夜に龍泉寺にて御法楽のあと吉野下りをした。個人的には大峰山より吉野下りの方がきつかったような気がした。特に地蔵峠などは心臓破りの坂だった。鳳閣寺で護摩を焚きその後蔵王堂に着いた。蔵王堂の大きさには圧巻だった。醍醐寺に戻り護摩を焚き大峰山花供入峯の全行程が終わった。

花供入峯を終え、まず今回御室派からの初参加にもかかわらず醐山青年会の先駈修行に参加さしていただき有り難うございました。感想としては大峰山で修行をつまれた役行者の精神を学び神秘的な霊峰大峰山に入峯したことによって心身共に浄化されたと思います。7月の桂木山蓮華入峯も参加も考えています。醍醐青年会の皆様本当に貴重な体験を有り難うございました。 合掌



圓通寺副住職 童銅海純

































Photo

小林牧仁様
醍醐青年会様






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